その日は土曜日だった。予定日は15日だったが、「今日産まれたらちょうど良いのにね」なんて話していた。テレビを見てたら突然水のようなものが体内から出てきた。「もしかして破水かな」「大変だ。すぐ病院に行かないと」病院に電話をするとすぐ来てくださいとのこと。支度をしてみんなで病院に。車の中でかすかに腹痛を感じた。時間を計ってみたら10分間隔だった。あれ、今度はまともじゃん。と思いつつ病院についた。
看護婦さんに説明し、「じゃあ、破水か調べます。この紙につけて色が変わると破水なのよ」色は変わらない。「あれ、違うようね」「あ、じゃあおしっこだったんですか」「でも10分間隔でしょう。経産婦はお産が早いから入院しましょう」夫に「破水じゃなかったけど入院だって」「そっか」
子供は待合室に居てはいけないと注意されたので、夫は優和を実家に預けに行った。陣痛室に入ると「浣腸します」浣腸された。「出産が進みますからね」しばらくトイレに篭り、すっきりしたらだんだん痛みがひどくなってきた。看護婦さんに呼ばれ、子宮の収縮を計る。この看護婦さん(写真中央)は80超えているんじゃないかと思うくらいの年寄りだった。(大丈夫かな..)不安でいっぱい。お腹にベルトをうまく巻けなくて苦労していた(本当に大丈夫かなぁ)不安が広がった。
夫が戻ってきた。私の実家は近いとはいえ、優和を夜一人で預けたのは初めてだった。夜泣きが心配だったが仕方が無い。夫とそんな話しをしながら痛みに耐えた。今回は痛みというよりはいきみが強くて、我慢しているつもりでもいきんでしまう。優和のときは余裕があるくらいいきみが無かったのに..やっぱり2人目は道が出来ているからお産がはやいらしい。いきみはどうやってがまんしたんだっけ?「んん〜」だめだ。絶えられない。「んん〜」(どうして子宮口が全開でないといきんではいけないのは赤ちゃんがつかえるし、子宮口が破けて大出血を起こして母子ともに危険だから)
ナースコールをする。看護婦さんが来て子宮口をチェック。しかしその間にもいきみが来て「んん〜」「だめだよいきんじゃ。じゃあ、向こうに行くかい」
分娩室に行く間にも激しいいきみは来た。「んん〜」分娩台に上れない。なんとかよじ登り看護婦さんにベルトを巻いてもらう。しかしまた上手く巻けない。(あ、私のお腹が大きすぎるんだ..)と気づいたのでちょっとリラックス。ははは。またいきみがくる。分娩台から降りたくなるくらい激しいいきみ。体が半身起き上がってしまう。必死に我慢しているつもりだがちょっと無理だった。「う〜ん。う〜ん」声も出てしまう。看護婦さんに「声を出さないでね。はいふっふっ。がんばって」「う〜ん。う〜ん」「声出さないの」口を軽くふさがれてしまった。声があまりに大きかったらしい。今は深夜なのだ。
「んん〜。んん〜」ラマーズ法のことなどすっかり頭に無かった。「んん〜。んん。」看護婦さんに「だめよいきんじゃ。まったくこの人は..」と、怒られてしまった。その声は外で待っていた夫にも聞こえた。(^^ゞ
看護婦さんが「先生を呼びましょう」と言った。「大丈夫なの?」「もう頭は降りてきています」「じゃあ、呼びます」と看護婦さん同士の会話。やっとか..と思い、また激しいいきみが来た。「もう少し我慢して。先生が来るから」えっっもうそんなにすぐなの
?と思いびっくりした。どうやら頭が出かかってるらしく、看護婦さんが押さえていた。(もっと早く呼べー!!)先生登場。院長先生だった。いつのまにか夫が来ていた。「はいじゃあ息んでください。」「んんん〜」「はい。赤ちゃんが出てきました。」
平成12年9月10日午前0時8分 美和誕生
やったー。産まれた。
先生が羊水を吸い出して「んぎゃぁ。んぎゃあ。」産声。パパがへその緒を切る。
はぁ〜。疲れた..
出産後は腹痛(子宮が痛い)に苦しんだ。後陣痛といって、子宮が収縮するときの痛みだそうだ。私は子宮の戻りがすごく良いらしく、その分痛みが激しかった。入院中も痛かったが、退院した後、布団から起きれないくらいつらかった。お腹で花火をしているように、どんどんと痛みがひっきりなしに来た。5m先のトイレに行くのに這うように行き、5分以上かかった。絶えられなくて痛み止めの薬を夫に病院に取りに言ってもらう。しかし、薬を使ってもそんなに痛みは和らがない。薬を飲んでいるので断乳した。夜中に熱が出て震えが来て、美和の世話どころではなくなった。夫が退院後3日間はほとんど美和の世話をしてくれた。夜中の授乳も。本当に助かりました。ありがとうね。愛してるよ。優和は姉が預かってくれた。初日は夜泣きで大変だったみたい。ありがとうね。痛みは1週間くらいで大分薄れてきて良くなった。出産の陣痛よりも、後陣痛で苦しんだ出産でした。
陣痛が始まったその日は、2人目が産まれるということで購入していたチャイルドシートを車に取り付けようとしていた時でした。嫁さんの「お腹が痛くなった」という言葉を最初は信じていなかったのですが、どうも嘘ではないと気付くのにそんなにかからなかった。汗だくになって大慌てで車に取り付け、優和と嫁さんを車に乗せ病院へ。
病院でみてもらうと入院と言われそこで初めて優和は病院にはいれないと気付き、嫁さんの実家に預けに戻ることに。病院に来る前に預けておけばよかったと後悔しました。人間慌てていると頭がまわらないですね。(^_^;
今回は2人目ということで楽だという話しを聞いていましたが、嫁さんの様子をみているとそんな風には見えませんでした。痛がりかたが前よりもすごかったからです。看護婦さんにきてもらうと「いきんじゃダメ、まだ早い」と何回も言われ、最後には「まったくこの人は!、言う事聞きなさい」と怒られる始末。言うほうは簡単だけど本人にしたら大変なんだろうなと思いつつもそのやり取りをみて笑ってしまった。そうこうしていると分娩室の隣の部屋に最初はいるのだが、産まれそうだといって看護婦さんはお尻を押さえていたけれどそんなんでいいのかと思ってしまった。
分娩室に先生が入り、今回も立会いを希望していたので中に呼ばれると意外と早く産まれた。先生が赤ちゃんを取り上げるとおちんちんがない!、女の子だ!。嫁さんも喜んでいるようだった。女の子が欲しいと前から言っていて、男の子の優和に女の子用の洋服を着せたこともあったが今回は本物だ。(笑)
二人とも産まれたときの体重が3000g以上だったので、みんなから赤ちゃんって猿みたいだよって言われていたんですがそんなこともなく顔も体もパンパンになっていました。美和の場合は今もパンパンで優和より大きく見えますけどね。(笑)
今回は、産まれたあとが大変でしたね。嫁さんがお腹が痛くて1週間以上動けない状態になってしまいお休みも予定より長くとることになりました。一番びっくりしたのは鎮痛剤を使っていたら夜中にいきなり痙攣みたく震えだしたときです。さすがに私もこれにはビビリましたよ。病院に電話すると「湯たんぽありますか?、毛布とか布団をいっぱい掛けてあたためて下さい」と言われ、 「この季節に湯たんぽなんかあるかい!、全然おさまらないぞ!、どうなってるんじゃい!」と心の中で思って(苦笑)看護婦さんと話しをしました。この状態だと優和をみれないと思い嫁さんの実家に預けにいき帰ってくると少しおさまったみたいで一安心です。実家が近いと助けてもらえるのでいいですね。もしも遠かったらと思ったらゾッとします。親のありがたみがこういうときになって(普段もわからないといけないんですが)わかります。
産まれたばっかの赤ちゃんの背中ってなんか黄色いですよね、なんででしょう???。